全国公開記念『NINIFUNI』爪痕残すぜトークショーレポート第1弾!向井秀徳さん(ZAZEN BOYS)×真利子哲也監督

ひきつづき全国絶賛公開中の『NINIFUNI』。現在上映中の金沢・シネモンド、沖縄・桜坂劇場では5/18(金)まで。さらに5/19(土)より大分シネマ5、5/26(土)静岡シネ・ギャラリー、6/9(土)シネマ尾道、札幌と公開が続き、7/9(月)爆音映画祭吉祥寺バウスシアターで、ふたたび東京にカミングバック!

全国各地でまだまだ盛り上がるなか、より『NINIFUNI』ワールドを楽しんでいただけるよう、ここで東京・
ユーロスペースでの公開時に行った「爪痕残すぜ」トークショー2連弾を遅まきながらレポートします。
ちなみに「爪痕残すぜ」は、真利子監督が良く口にする「42分でも見た人に何か爪痕を残したい」
という気合いの入った言葉から命名。第1弾のゲストは、日本のロックシーンで魂をがっつり感じさせる、
こちらも「爪痕」系は間違いないミュージシャン向井秀徳さんでした。

見たことのない映画。でも、ずっと生々しさが残る映画らしい映画。
イエローキッド』そして『NINIFUNI』と連続して、真利子監督作品を観た向井さんは、以前
真利子哲也監督映画『イエローキッド』を見ました。カンペキ、戦慄、最優秀キてます賞受賞。
私はヨがっています。高校生の頃、『ミッドナイト・ラン』を見た後、家族で松茸を焼いて食らった
夜くらいに。新作『NINIFUNI』はさらにヨがれるので皆さん見た方がいいと思います。(向井秀徳)」と
ツイッターで絶賛。トークの最初は「まず、なれそめだな」(向井さん)ということで、初めて明かされた
『NINIFUNI』の裏話が監督の口から飛び出しました。



左から向井秀徳さん、真利子哲也監督


真利子監督:実は最初、映画の音楽を誰に、という話が出た時、まっさきに向井さんが思い浮かんで、
失礼かな〜とも思ったんですけど、ダメもとでお願いしてみようと。それで向井さんに手紙書いて、
自分の映画のDVDを向井さんに送ったんですよね。

向井さん:真利子監督の初期短編『極東のマンション』と『マリコ三十騎』のDVDを頂いて、それを
拝見したわけ。あれは見たことのない映画だなと思いまして、すごく興味を持ったんですけどね、
結果的にその時は色々仕事が詰まっていて、『NINIFUNI』には参加することができなかった。

残念なことに真利子監督の依頼を受けられなかったが、もし実現していたら、向井秀徳作曲で
ももいろクローバーが歌う楽曲が生まれていていたかもしれないが、「いや、私がやらなくて
よかった。大体、アイドルソングも作ったことない俺になぜ。やってたら(曲が書けなくて)
入院していたかもしれない」と飄々と答える向井さん。

そして「私のこの映画の好きなところは〜」トークでは、

向井さん:監督の作品にすごく興味を持ちまして、この『NINIFUNI』が完成したときに観させていただいて、
衝撃を受けました。この映画もやっぱり見たことない映画だなと思いまして、ただ映画らしい映画だなとも
思いました。淡々として、静かで、説明もあまりないですが、国道の音や風の音など音が生々しくて沢山の情
報を伝えている。静かに淡々としているんだけども、私は見ていると何故かすごく緊張して見ているんです
よね、それが心地良いというかですね。翌日もその翌日もずっと自分の心の中に生々しさが残る、この心残りな感じは一体何なんだろうっていうのがあった。など数々あげられ、真利子監督が神妙にうなづくという展開。

向井さんから監督への真摯なエールと共に、トークの中には、なぜか向井さんが監督にバイク便で
送ったという勝新太郎主演のドラマ『警視-K』のDVDの話、向井さんの忘れられない映画の1本
だという『宇宙から来たツタンカーメン』の話も盛り込まれ、場内は適度にリラックスムード。
今回、自分のやりたかったことを深く考えすぎる事なくシンプルにやりきれたという真利子監督と、
自分自身にぶれる事なくロックする向井さん、映画の面白さって何ぞや、の問いかけも残すような
内容に観客の皆さんも引き込まれていました。

ロカルノロッテルダム、チョンジュ、世界が注目する衝撃作『NINIFUNI』は、全国順次公開中!
5/19(土)より大分シネマ5、5/26(土)より静岡シネ・ギャラリー、6/9(土)よりシネマ尾道
札幌・シアターキノ(近日)、ほか全国順次ロードショー